第78回(2025年度第1回)“Find-Your-Role-Model” Sessionが開催されました

 2025年度第1回(通算78回目)のFind-Your-Role-Model Sessionでは、東京科学大学工学院機械系人間医療科学技術コースの教授でいらっしゃる、八木透先生をゲストとしてお招きしました。

 八木先生は、1996年に名古屋大学大学院工学研究科博士課程を修了された後、理化学研究所や名古屋大学大学院にて、人工網膜の研究に従事されました。その後、株式会社ニデック人工視覚研究所の所長として、医用生体工学、生体情報工学に関する研究に取り組まれました。2005年より研究の場を旧東京工業大学大学院に移られ、並行して2012年から2013年にかけては、米国マサチューセッツ工科大学のフルブライト客員研究員としてもご活躍されました。2022年より旧東京工業大学工学院教授として、ヒトの脳、神経、視覚、生体信号などに着目した神経工学に注力されていらっしゃいます。

セッションの前半ではこれまでのご経歴として、医療工学に興味を持ったきっかけ、3度にわたるアメリカ留学、神経インターフェースに関する研究内容などをお話いただきました。特に研究紹介では、実際に開発された、一定方向の眼球運動に反応しブザーが鳴る装置を持参してくださり、学生に装着して作動する様子も見せていただきました。

後半の質疑応答では、大学統合後の新年度初セッションということもあり、医工連携の進め方に関する話題で盛り上がりました。ものづくりを起点とする工学系の「ないものは自分たちで創り出そう」という考え方は大変刺激的で、医療の研究でも新たな切り口をもたらしてくれると感じました。他分野との連携に関して特に先生が強調されていたのが、相手を柔軟に受け入れることと、自分の専門を確立することの重要性です。分野が違えば考え方も異なりますが、互いに軸足となる専門分野を持ち、オープンになることが良い影響を与えあう共同研究に繋がるとのことでした。

セッションでは進路や専門選びに迷う学生からの質問も寄せられました。些細な事柄でも興味を持ったことをどんどん繋げていくと、その先に想像していなかった道やそこに挑戦する力もついてくる、という先生のアドバイスは、これからキャリアを切り拓いていく学生にとって大きな支えになるのではないかと思います。「焦らず、慌てず、諦めず」というメッセージの通り、目標に向かって地道な努力を重ねていきたいと思います。

文責:HSLP学生ホスト


 

 

Flyer(JP)_Prof. Yagi
日時: 2025年5月20日 (月) 19:00~20:00
ゲスト: 八木透先生
東京科学大学 工学院機械系人間医療科学技術コース 教授
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