国際競争力のある修士課程プログラムを創るための指南書
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1.1.4 収益モデル 修士課程プログラムも完全なボランティアでは運営できません。大きな利益はもたらさないとしても、少なくとも毎年赤字続きでは存続は難しいでしょうし、ましてや規模拡大や事業の発展を期待するのは無理でしょう。具体的には、修士課程プログラムを運営することによって得られる対価を含む収入が、運営コストに見合ったものでなければなりません。では、東京医科歯科大学MPHプログラムの収益モデルはどうでしょう? まず支出は、常勤教職員の給与のうちプログラム運営に関する部分、短期集中講座などを行う海外非常勤教員への謝金や渡航費、滞在費、そしてプログラム運営にあたる職員の労務費などの人件費が含まれます。また、講義室や学生ラウンジなどの光熱費、通信費、光熱費などの間接経費や、宣伝活動費なども含まれます。 それに対して収入は、国立大学法人ですので国から交付される運営費の一部がプログラム運営に充てられます。そしてSGU実施期間中は同補助金事業費も主たる収入源となります。学生納付金(入学金や授業料など)は、国から運営費の交付を受けているため比較的安価に設定され、収入への寄与度は限定的です。また、附属病院収入も大学全体の収支健全化のために重要な収入源です。主たる支出項目と収入項目を以下にまとめます。// 支出項目 //• 常勤教職員の給与のうちプログラム運営に関する部分• 海外非常勤教員への謝金や渡航費、滞在費• プログラム運営にあたる職員の労務費などの人件費• 光熱費、通信費、光熱費• 宣伝活動費など// 収入項目 //• 運営費交付金• SGU補助金事業費• 学生納付金• 附属病院収入など

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