国際競争力のある修士課程プログラムを創るための指南書
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1.1.6 ビジョン・ミッション但し、いくら有効な戦略やビジネスモデルを立てたとしても、それがその組織や事業におけるビジョン(未来像)やミッション(使命)に沿うものでなくては意味がありません。組織/事業の経営(組織の例は◯◯大学、事業の例は◯◯学国際修士課程プログラム運営)とは、組織/事業目標を定め、それを実現するための基本戦略を立て、ビジネスモデルを構築していくことですが、その組織/事業目標の中核を成すのが中期的なビジョンやミッションと呼ばれるものです。組織/事業のビジョンとは「〇〇の発展に寄与する」などという抽象的なものではなく、その組織/事業により実現したい未来像、その組織/事業体が辿りつきたいと切に思う「憧憬の地」でなくてはなりません(「感じるマネジメント」リクルート、2007)(参考文献3)。そしてその未来像を実現すること、「憧憬の地」に辿り着くことが、その組織/事業のミッションです。国立大学法人東京医科歯科大学という組織のミッションは、「知と癒しの匠を創造し、人々の幸福に貢献する」です。つまり、「人々が幸福になる」というビジョンを、「知と癒しの匠を創造する」、すなわち、医療系総合大学として基礎医学・臨床医学・社会医学の3分野を牽引する人材を育成することにより実現する、というものです。経済的余裕の有無によらず、履修に際しての離職可能性によらず、国際機関等でのキャリアを志す優秀な者を集め、質の高い教育/研究指導と人脈形成支援を通して、国際機関等で活躍し地球レベルで人々の健康レベルの向

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