国際競争力のある修士課程プログラムを創るための指南書
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1.2.5 マーケティング戦略(特にプロモーション)前述しましたように、今回調査したプログラムのほとんどが既存のケイパビリティとそれにもとづき提供できるバリューありきでスタートし、募集を開始してみたら結果的にそのバリューにマッチしたニーズを持つ応募者セグメントに自ずと絞り込まれていきましたが、それでも優秀な応募者を持続的に確保するために、多くのプログラムが工夫を凝らして様々なプロモーション活動を積極的に行ってきました。プログラムウェブサイトでのプログラムの魅力のアピールや、卒業生の進路などの、応募者が知りたい情報の積極的な発信は必要不可欠ですが、それとともに重要なのは応募者にプログラムを認知してもらうことです。インターネット時代の消費者購買行動モデル(AISASモデル、図1.3)が示すように、工夫を凝らしたウェブサイトを用意しても、プログラムを認知してもらえなければ、応募者はウェブサイトに辿り着きません。大学フェア(進学相談会)は、多くの応募者にプログラムを認知してもらうために効率的で効果的な手段であり、ほとんどのプログラムが利用しています。その他にも、認知度向上のために様々な工夫がされていましたので、そのいくつかを紹介します。東京農工大学は、ASEAN諸国を中心とした政府主導の国際的学士課程学生交流事業であるAIMSプログラム(正式名称ASEAN International Mobility for Students Programme、参考文献5)の大学リストに掲載される日本の7大学の1つであり、加盟校間単位互換制度事業などに積極的に参加することにより、ASEAN諸国の学部学生における東京農工大学IIASの認知度が向上しました(Appendices A.1/A.2.2)。筑波大学SUSTEPは、前述したように、入学者の1/3がJICAによるJDSの対象者ですが、

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