1.3 戦略体系まとめそれは、SUSTEPがJDSに申請し、受入プログラムの一つとして認められているからです。そしてJDSが対象国であるアジア・アフリカ諸国において行うプロモーション活動を通して、SUSTEPの認知度も向上しました(Appendix A.1)。また、あるプログラムは、認知度向上のために、大規模公開オンライン講座(MOOCs)を使いました。世界のトップ大学の多くが利用するMOOCプラットフォームにおいて科目をオープン(履修者制限なし)/フリー(無料)で公開しており、受講生総数は4万人に及ぶそうです。同プログラム履修生の1〜2割ほどが、このMOOCsの無料公開科目履修を通して同プログラムを認知したそうです。卒業生による口コミも、認知度向上とともに、信頼度も高いことから、プロモーションにおいて非常に有効です。特に今回調査したプログラムのほとんどが対象市場が絞り込まれた集中戦略をとっていることから、母国に戻った卒業生が当該領域のコミュニティメンバーにプログラムを紹介してくれればとても効果があります。例えば体育教育やスポーツ科学の教育/研究機会を提供する筑波大学TIASでは、卒業生が母国の体育・スポーツ関連機関関係者や現役を退いた元アスリートにTIASを紹介し、彼らが応募する、という好循環が構築されていきました(Appendix A.1)。他のプログラムも卒業生からの口コミの重要性・有効性を強く認識しており、卒業生とプログラムをつなぐ強固なネットワークの構築に努めています。《フレームワークとして》今回使用したフレームワークは、一般的なビジネス戦略で用いられているものをベースに作成しました。それを東京医科歯科大学MPHプログラムでのインタビュー等を通して改良・修正し、他機関プログラムの調査に用いました。インタビュー自体は必ずしもフレームワークの要素順に行われたわけではありませんが、その整理にあたっては、このフレームワークは必要十分なものでした。今後、調査対象を拡大する際にも、十分用を成すものと期待できます。《ノウハウ集として》今回調査対象とした各プログラムは、各々独自のビジョンや戦略、ビジネスモデルを持っていました。成功のかたちは決して一つではなく、様々な有り様があることが分かります。
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