2.1 戦略策定プロセス体系の概要2.1.1 マクロ環境分析第1章では、調査対象となった各プログラムの事例を基に、その戦略体系を事業戦略とビジネスモデル(4要素)の観点から説明しました。事業の成功には、緊密に結びついた4要素よりなるビジネスモデルが競合相手に対して優位に立つための戦略の上に成り立っていることが不可欠です。そして、そのような戦略の策定は、自機関・自プログラムが置かれた環境(経営環境)の把握とそれらの綿密な分析に基づいて行われなければなりません。東京医科歯科大学MPHプログラムでは、図2.1に示した形で経営環境分析を行いました。ここでは、ビジネス経営環境分析で一般的に使われるものが用いられています。本項で経営環境分析の全体像を提示した上で、次項でそれぞれについて、今回インタビューさせていただいたプログラムの中でのグッドプラクティス事例での分析例を示しながら詳しく解説します。まず業界を取り囲む外部環境、つまりマクロ環境を理解するために、政治・規制、経済、社会、技術などの視点から現在の状況と近未来について分析します。「PEST分析」が広く用いられます(図2.2)。マクロ環境の分析により、今後の業界や市場の発展性を分析します。
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