国際競争力のある修士課程プログラムを創るための指南書
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2.2.4 顧客分析分析の結果、国際機関やアカデミアへの卒業生輩出という点では英米トッププログラムが圧倒的に強い(脅威:大)一方、英米トッププログラム進学は経済的負担が大きく、経済的余裕のある一部の応募者以外には実質上門戸が閉ざされていることがわかりました。また、公衆衛生学修士課程への進学を目指す者の中には医療従事者が多いのですが、離職をしなくても履修できるプログラムが皆無であることもわかりました。東京医科歯科大学MPHプログラム計画時の応募者分析では、「学士課程での専攻」と、「抱いている卒業後キャリア」という2軸でセグメンテーションを行いました(図2.11)。「学士課程の専攻」という軸を設けたのは、医療専門職についている応募者の多くには離職を要さない履修オプションという特異なニーズがあるからです。そして現役履修生や卒業生、教員へのインタビューなどを通して、アカデミアでのキャリアを目指す応募者にとっては英米トッププログラムでの履修および修士号取得が重要である一方、国際機関等でのキャリアを目指す応募者には英米トッププログラムでの修士号取得では必ずしもなく、それらプログラムの教員との人脈形成がむしろ重要であると分析されました。

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