2.3 戦略策定プロセスまとめ2.2.6 上記を踏まえてのビジネスモデルと戦略の決定以上のように、公衆衛生学修士課程プログラムを囲む外部環境を、マクロ環境、業界構造、競合相手、顧客(応募者)のそれぞれについて綿密に分析し、さらに自機関の強み・弱みの把握と競合相手との差別化方法検討のための自機関分析を行うことにより、東京医科歯科大学MPHプログラムが成功・発展するためのビジネスモデル4要素、つまりターゲット(標的とする応募者セグメント)、バリュー(標的応募者セグメントが最も重要視し、プログラムが提供するもの)、ケイパビリティ(バリューを提供するための、東京医科歯科大学にユニークで他機関が模倣し難い、資源とその運用)、収益モデル(健全で維持可能な収入(財源)と支出のバランス)(図2.14)と、図1.2に記しました基本戦略(集中戦略)が導き出されました。一般的に、競合相手に対して優位に立つためのビジネスモデルと戦略を策定するためには、自機関・自プログラムが置かれた環境(経営環境)の綿密な分析が不可欠です。しかしながら、2.2の冒頭で述べましたように、こういった分析をプログラム開設時に行った例は、今回の調査対象プログラムの中では東京医科歯科大学MPHプログラムのみでした。サンプル数としては最少ですので普遍性があるかはさらなる調査が必要ですが、東京医科歯科大学MPHプログラムの初期の成功の要因を戦略策定プロセス面からみたとき、要となったのは競合分析と顧客分析でした。
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