3.1 進行管理体系の概要ここまで「修士課程プログラム創出/運営」のノウハウとして、立てるべき戦略とは何か(第1章)、どんなプロセスで戦略を立てるのか(第2章)、について述べてきました。それに対し第3章では、プログラムの立上げから実行に至るまでの管理・運営ノウハウを解説します。プロジェクトの進行管理手法として世界でもっとも基本的な手法として用いられているのは米国プロジェクトマネジメント協会によるPMBOK(Project Management Body Of Knowl-edge)手法ですが、2017年版では「立上げ」から「終結」までの5つのプロセスを定義し、各々のプロセスで管理すべき領域を10個((1)統合、(2)スコープ、(3)スケジュール、(4)品質、(5)コスト、(6)リスク、(7)人的資源、(8)調達、(9)ステークホルダー、(10)コミュニケーション)定めています(図3.1)。今回はこれをベースに、インタビューさせていただいたプログラムより共有いただいた経験や知見を整理する中で、「国際的な修士課程プログラム創出/運営」のテーマに沿うよう独自の進行管理体系を作成しました(図3.2)。PMBOKでは(1)統合、(2)スコープ、(3)スケジュール、(4)品質、(6)リスク、(8)調達に当たる領域を「①組織体制」と「②意思決定方法」としてまとめ、もっとも重要である(7)人的資源は、学校における主要な人材である③教員、④事務職員に分け、各々で人員確保/配置とスキルのサブ項目を立てました。(10)コミュニケーションはそれらの間の⑤コミュニケーションとして立て、(5)コストは収益の問題として⑥財源確保と変えました。(9)ステークホルダーの中でも、国際修士課程プログラムにとって最も重要
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