国際競争力のある修士課程プログラムを創るための指南書
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3.1.1 ①組織体制である「海外からの留学生」に焦点を絞り、⑦学生支援の項目を立てました。また、インタビューの中でも管理・運営上の問題として頻出したテーマを個別問題として⑧変革への抵抗、⑨自走化として取り上げました。このように独自で作成した進行管理体系の項目①〜⑨を、東京医科歯科大学MPHプログラムなどでの分析を例示しながら詳しく説明します。国際修士課程プログラムとして、教員(授業)だけでなく事務職員(運営)にも英語での対応が求められることから、インタビューさせていただいた10プログラムの管理運営組織体制は「集中型」と「分散型」のいずれかに分かれていました。「分散型」とは、プログラムの運営に、学内の様々な機能を担う部署(学務、人事、経理、労務ほか)が、適宜直接的に関わる形です。大学の国際化が進んでいる機関においては、ほとんどの部署が英語対応可能であることから、他の多くの日本語プログラムと同様に「分散型」で運営できますが、国際化が遅れている機関では、国際修士課程プログラムの「分散型」運営を行うと事務対応が進まず、英語が話せる教員が仲介に入らなければならない場面が多く、教員に多大なる負担がかかります。それを回避するために、「集中型」の組織体制を取る場合があります。「集中型」とは、既存の大学院教務係に加えて、英語対応ができる事務職員を配置した部署(例えば「◯◯プログラム事務係」)を新たに設置し、同部署が、英語対応が難しい学内の様々な部門(学務、人事、経理、労務ほか)

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