国際競争力のある修士課程プログラムを創るための指南書
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3.2.5 コミュニケーション3.2.6 財源確保ためには予算も必要であり、「集中型」が望まれるものの実現が難しく、機関の国際化が十分に進んでいないものの「分散型」で対応せざるを得なかったプログラムも、今回インタビューさせていただいた中に複数ありました。適切なステークホールダーよりなる会議体(例えば「XXXプログラム運営委員会」)を組織して定期的に開催し情報共有を図ることが重要であり、特に立ち上げフェースでは開催期間を短くする必要があります。法政大学総合理工学インスティテュート(Institute of Integrated Science and Technology:以下、IISTと略)では、各専攻を代表する教員からなる運営委員会が設立者により組織され、設立当初は毎週、その後も月1回定期開催し、出てくる問題や課題を共有し、ともに解決にあたってきました(Appendices A.1/A.2.3)。筑波大学TIASでも、プログラム設立当初より関係する教職員を集めた定期的コミュニケーション機会が確保されてきました(Appendix A.1)。また、2020年春からの新型コロナウイルスパンデミックを受けての行動制限に伴い急速に普及したWeb会議システムにより、会議参加のための距離という障壁が除去され、重要なステークホールダー間のコミュニケーションがより円滑に、そしてタイムリーに行われるようになっています。国際修士課程プログラムの財源確保として最も問題となるのは教員人件費です。特に、省庁補助金事業としてスタートしたプログラムや、人件費の財源を外部資金に頼るプログラムは、事業終了後や契約終了後の自走化段階で、教員人件費の財源確保の問題に直面します。スポーツ庁による補助金事業として始まった筑波大学TIASは、補助金からの人件費拠出により雇用していた外国人教員4〜5名を継続雇用するための事業終了後の財源を確保できませんでした(Appendix A.1)。

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