3.2.7 学生支援他方、早稲田GSAPSはこれまで外部資金を積極的に獲得してきましたが、外部資金終了後の影響を考慮し、教員人件費は外部資金に依存しないという方針をとって来られました(Appen-dices A.1/A.2.4)。東京医科歯科大学MPHプログラムも、SGUの一環として企画運営されたプログラムであり、事業が終了する2023年度末以降の自走化が課題です。しかし、幸か不幸かSGU採択の際に補助金の大幅減額提示を受けましたため補助金での教員雇用は叶わず、学内予算にて分野を新設し教員を雇用しましたため、教員の継続雇用については問題はなさそうです。3.1.7で記しましたように、優秀で志の高い履修生を獲得し、質の高い学習・研究機会を提供し、卒業後のキャリア構築を支援することは、国際修士課程プログラムの発展にとって不可欠です。優秀で志の高い学生が、経済的状況に左右されることなく応募してくれるよう、インタビューしたほとんどのプログラムが、就学費用や生活費用の支援を様々な形で提供していました。具体的な支援の形を下に紹介します。• 安価な家賃の学生寮の提供:機関の所有する寮や、機関が民間から借り上げて提供するもの、地方自治体が提供する寮など• 外部奨学金取得支援:出身国政府や受入国(日本)、JICAなどによる金銭的支援制度への申請支援、渡日後/就学後の様々な外部奨学金制度への応募支援また、履修生の就職支援のためにも様々な工夫がされていました。既に多くの卒業生を輩出しているプログラムでは、卒業生による講演会や、卒業生から履修生に向けた就職活動に向けてのアドバイスを提供する懇談会を実施したり、構築された卒業生ネットワークを活かして、履修生・卒業生双方からの働きかけによる就職支援が展開されていました。さらに、企業との協働研究所を学内に置いている機関もあり、そこではカリキュラムの一環として学内にいながらインターンシップができ、キャリア形成につながっていました。
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