4.1 知識体系と、それに基づく推奨4.1.1 戦略体系とその策定プロセス(第1章及び第2章)本報告書は、文部科学省補助金「大学の国際化促進フォーラム」に採択された「世界と伍する修士課程プログラム創出/運営のための課題と工夫」事業の一環として作成されました。本書の冒頭で述べましたように、同事業の目的は「日本の修士課程が国際通用性/競争力を強化し、その本来の目的である優秀な人材を輩出し、結果として我が国が国際的なプレゼンスを高める」ことです。本報告書は、国際競争力の高い修士課程プログラムを創出するための、特に戦略/マーケティング/運営の観点からの指南書として位置付けることができるでしょう。作成にあたっては、ビジネスにおける「戦略」「マーケティング」「プロジェクト進行管理」の知識を基盤としながら、我が国における国際修士課程プログラムのグッドプラクティスといえる10のプログラムについてのインタビュー結果を踏まえ、演繹・帰納的に知識体系を構築しました。以下に記しました、この知識体系に基づく推奨は、これから国際修士課程プログラムの開設を計画される機関においては、プログラムの成功率を高めるための参考になるでしょう。また既に国際修士課程プログラムを管理運営している機関においても、プログラムの国際競争力を更に高めるために講じうる様々な策を着想する一助になるでしょう。今後、本報告書の内容をわかりやすく解説したオンデマンド動画を作成し、そしてそれらによる事前学習の上で実際に企画中または運営中の国際修士課程プログラムにおける「戦略」「マーケティング」「プロジェクト進行管理」面からの検討を行うことにより実践的知識を獲得する機会を提供するワークショップを企画開催いたしますので、奮ってご参加ください。国際修士課程プログラムの成功には、緊密に結びついた4要素(ターゲット、バリュー、ケイパビリティ、収益モデル)よりなるビジネスモデルが、競合相手に対して優位に立つための戦略の上に成り立っていることが不可欠です。そのためには、戦略体系(ビジネスモデルと戦略)の策定プロセスとして、内外環境(自機関・自プログラムが置かれた環境)の綿密な分析(具体的には、マクロ環境分析、業界構造分析、競合分析、顧客分析、自社分析)をしっかり行うことが強く推奨されます。その際、是非以下
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