【対象とする応募者の絞り込み】 対象とする応募者を、思い切って絞り込む(集中戦略)ことも、プログラムの成功のためには大切です。なぜならそれが提供価値(バリュー)の明確化やプロモーション力の向上につながるからです。【戦略要素とビジョン/ミッションの一貫性】 組織/事業のビジョン/ミッションと、プログラムの戦略体系各要素とに一貫性があることが重要です。つまり、対象とする応募者セグメントの選定や、起点となるケイパビリティの選定においては、組織/事業のビジョン/ミッションとの整合性が重要な判断基準となるべきです。【ビジネスモデル各要素の選定の流れ】 一般のビジネス開発では多くの場合、まずターゲットを絞り、その上で提供するバリューを選定し、そしてそれを生み出すケイパビリティを同定するという順をたどります。具体的には、顧客分析により顧客各セグメントのニーズを明確化し、競合分析により競合が対応し得ていないニーズを持つセグメントにターゲットを絞り、そのニーズに応えるために提供すべきバリューを選定し、そのバリューを提供するために必要なケイパビリティを同定します。このようなプロセスにより競合環境におけるプログラムのポジショニングが定まり、それを実現するための基本戦略やビジネスモデルが明確になります(「ポジショニング起点」のビジネスモデル構築)。の点を踏まえておきましょう。ビジョンは達成したい未来像であり、その未来像を実現することが組織/組織のミッション(使命)です。組織/事業の進む方向とプログラムの戦略体系が同じであるからこそ、多少の苦難があっても組織はプログラムを推進し、教職員はプログラムの成功のために尽力するのです。他方、大学の学位プログラムの場合、大学が提供するバリュー(教育/研究)や、それを可能とするケイパビリティ(リソース(教員・施設資源)/オペレーション)をフレキシブルに変更することはできません。したがって、外部環境分析等の結果のみではなく、既存のケイパビリティによっても、ビジネスモデル各要素がかなりの程度規定されてしまうのはやむを得ません(「ケイパビリティ起点」のビジネスモデル構築)。
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