4.1.2 進行管理(第3章)【分散型 または 集中型】 国際修士課程プログラムでは、英語での授業/研究指導(教員)だけでなく、英語での事務対応(職員)が求められます。以前より留学生を多く受け入れており機関各部署の国際対応能力が高ければよいのですが(「分散型」)、そうでない機関では、当初は英語対応ができる事務職員を1つの部署(例えば「◯◯プログラム事務係」)に集め、同部署が、英語対応が難しい学内の様々な部門(学務、人事、経理、労務ほか)とやりとりしながら、プログラムの運営にあたるという体制(「集中型」)を取るのが効率的でしょう。【ステークホールダーよりなる会議体の定期開催】 プログラムの運営にあたっては、ステークホールダー(担当教員、教務部門や国際部門などの職員、国際担当理事など)を交えた会議体((例えば「◯◯プログラム運営委員会」)を定期的に開催し、情報共有/意思決定を行うことが重要です。特にプログラム企画〜立ち上げのフェースでは、必要とする情報をあらかじめ全て予測するのは不可能なため、短い間隔で定期的に開催し、タイムリーな問題解決に努めましょう。【教員人件費の財源】 国際修士課程プログラムは、省庁補助金事業の一環として開設される場合も少なくないでしょただその際、そのケイパビリティとそれにより提供されるバリューを求めるニーズをもつ応募者セグメントはどの程度のサイズなのか、そしてその応募者セグメントを標的とする競合プログラムに対して自プログラムのケイパビリティ/バリューが競合的優位性を有しているのか、をしっかり考察することが、プログラムの成功率を高めるために必要です(ターゲットとバリューの綿密な分析)。今回の調査・研究にあたって、当事者たちから多く声が上がったのは、前述の戦略体系やその策定プロセスそのものではなく、それらを推進・実行する態勢や、管理・運営に関する工夫やノウハウでした。国際修士課程プログラムの立ち上げ及び運営の成功においては、進行管理に関し特に以下について踏まえておくとよいでしょう。
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