国際競争力のある修士課程プログラムを創るための指南書
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⿠(①) 効果的な学習機会とすべく、豊富なアクティブラーニング機会、そして履修者からのフィードバックにもとづく継続的質改善による努力(オペレーション) ⿠(③) 英米トップ研究教育機関教員を非常勤講師と ⿠(④) オンライン(同期または非同期)受講を可能にする設備リソース(機器システム)と、それに習熟した人的リソース ⿠(⑤) 運営費交付金、省庁補助金/競争的資金(研究費)の積極的獲得、附属病院収入などによる、学生納付金への低い依存度の実現 ⿠当初は学会でプログラム紹介広告を配布するなど ⿠履修生らへのインタビュー結果などに基づき、1. 概要以前より公衆衛生学関連分野が1つ存在し、主に日本人やアジアからの留学生を博士課程に受け入れていた。文部科学省補助金事業「スーパーグローバル大学創成支援」応募に際し、外部環境分析結果を踏まえ、既存分野に加え、世界中から公衆衛生学領域の研究者や研究ユニットを複数誘致し(当初構想)、国際公衆衛生学修士課程プログラムを開設することが計画された。採択後、補助金額に基づき戦略/ビジネスモデルに修正を加えた形で開設された。定員は1学年につき9名、2学年合計で18名。留学生の割合は8割ほど。2. 戦略2-1. ビジョン・ミッション大学のミッションは「知と癒しの匠を創造し、人々の幸福に貢献する」である。2-2. 基本戦略【文部科学省補助金事業スーパーグローバル大学創成支援申請時】差別化戦略 + コストリーダーシップ市場全体(応募者全体)をターゲットとし、多岐に渡る質の高い教育研究を展開することによる差別化(差別化戦略)と、国立大学法人として国から運営費交付を受けているからこそ実現できる学費の低価格さ(コストリーダーシップ)に競争優位の源泉を求める。【同事業採択後】集中戦略補助金額が申請額の1/4程度であったため、「集中戦略」に転換:ターゲット(対象市場)を絞り、本学の強みに立脚した付加価値と、国立大学法人として国から運営費交付を受けているからこそ実現できる学費の低価格さに競争優位の源泉を求める。2-3. ビジネスモデルターゲット国際機関等でのキャリア構築を考えている応募者経済的余裕の有無によらず、優秀な応募者履修に際しての離職可能性によらず、優秀な応募者バリュー① 公衆衛生学修士課程修了者に求められる標準的知識/分析力の獲得機会② 英語のみで履修できるカリキュラム③ 国際機関等でのキャリア構築のための英米トッププログラム教員との人脈形成機会④ 離職を要さない履修オプション⑤ 国立大学法人として国から運営費交付を受けているからこそ実現できる学費の低価格さケイパビリティ (番号は「バリュー」欄の番号に対応) ⿠(①②) 公衆衛生学修士修了者にとって必要な知識とスキルの獲得支援のための学習機会を提供できるだけでなく、それを英語で提供できる教員(人的リソース)して招聘(人的リソース)2-4 個別戦略プロモーションしたが期待する応募者セグメントには届かずOwned media(ウェブサイトとFacebook)にプロモーション活動を集中3. 戦略策定プロセスA.2.1 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科修士課程医歯理工保健学専攻グローバルヘルスリーダー養成(Master of Public Health in Global Health)コース

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