国際競争力のある修士課程プログラムを創るための指南書
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で国際関係の活動に取り組んでいた教員が東京農工大学に異動し、同年代の教職員を巻き込んで活動を行ったこと、(2)学長からの協力を得られたこと、が成功要因となっている。(1)のドライビングフォースとしては、「AIMSプログラムを通して優秀な学生が確保できたこと」や「コース教員数に対する学生数の多さという逆境が教員の団結を生んだこと」が挙げられる。現在では、インドネシアのガジャ・マダ大学やボゴール農科大学、イタリアのミラノ大学の農学系大学院とダブルディグリーが取得できるまでに国際化が進んだ。現在直面している課題農学系としては、人口増加・気候変動が2大課題である。それらの課題に対して、「食料・貧困解消」の観点からどう貢献していけるかというのが一番大きなチャレンジである。コース運営としては、博士課程に進む日本人学生の少なさ、後継者不足が課題である。国立大学理系出身の学生は、民間企業からの人気が高く、ほとんどの学生が学士・修士取得後就職してしまう。研究者育成で企業との競争に勝つためには、博士課程の付加価値を明確にし提示していく必要があると考えている。また教員はコース修士課程だけでなく、学士・博士課程の教育や留学生の指導をせねばならず、一教員あたりの負担が大きくなっている。

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