第59回(2020年度第6回) “Find-Your-Role-Model” Session が開催されました

2020年度第6回目(通算59回目)となるFind-Your-Role-Model Sessionでは、本学の卒業生であり、現在は東京大学医科学研究所附属病院長・血液腫瘍内科診療科長、および先端医療研究センター分子療法分野教授の東條有伸先生をゲストとしてお招きしました。

東條先生は学生の頃より血液内科のフィールドで基礎と臨床どちらにも関わっていきたいという思いを抱き、卒後は主に血液腫瘍の分野において、基礎研究の成果を臨床の場に活かす「橋渡し研究(translational research)」の担い手であるclinician scientistとして、長年にわたりご活躍されてきました。セッションにおいては、東條先生のライフワークの一つである慢性骨髄性白血病(CML)に対するチロシンキナーゼ阻害剤の橋渡し研究などをご紹介いただき、この研究によりCMLの治療成績の劇的な改善がもたらされたことなどを例に挙げ、基礎研究の成果を患者さんのベッドサイドまで持っていけるようにすることの重要性をお話しいただきました。

clinician scientistを目指す上でのマインドセットとして、臨床と研究の両立を実現するためには両方に対する情熱を持ち続けることと、自分が真に興味を持って取り組める研究テーマを見つけること、加えて最終的なゴールは患者さんの病気を治すことだと強く意識することが大切であるとお話しいただきました。また、研究者としても臨床医としても確かな実力を身につけることが、どのようなキャリアを目指すにせよ最も重要な武器になることを強調なさっていました。

研究に従事する上でのマインドセットとしては、新規性があり面白い研究テーマを見つけるには自分の専門以外の分野の研究にも目を向け、今まで持っていなかった着想を得る必要があること、更には他分野の研究者とも積極的に交流して共同研究を目指すべきであるとアドバイスをいただきました。

基礎と臨床の両立は、まさに言うは易く行うは難しであり、実際にそのような厳しくもやりがいのある道を進まれてきた東條先生からのお話いただいたことは、これから自身のキャリアを描いていく参加者の学生たちにとって、非常に刺激的でためになる素晴らしい機会となりました。

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