第62回(2021年度第3回)“Find-Your-Role-Model” Sessionが開催されました

2021年度第3回目(通算62回目)となるFind-Your-Role-Model Sessionでは、窪田製薬ホールディングス株式会社代表執行役会長・社長兼最高経営責任者の窪田良先生をゲストとしてお迎えしました。

窪田先生は1991年に慶應義塾大学医学部ご卒業後、大学院博士課程に進学され眼科領域の研究に従事し、1997年に緑内障の原因遺伝子「ミオシリン」を発見されました。虎の門病院にて眼科医としての臨床経験も積まれた後に渡米し、2001年ワシントン大学医学部眼科学教室助教授に就任。2002年にアキュセラ・インクを設立し、社長兼CEOに就任されました。現在は第3相試験中のスターガルト病に対するエミクススタト塩酸塩をはじめ、いくつかの治験を実施している他、近視治療のためのウェアラブルデバイス「クボタメガネ」の開発・販売事業にも取り組んでおられるとのことでした。

窪田先生のキャリア形成には、ご家族のお仕事の関係で小学生~中学生時代にアメリカに住んでいた経験が、大きな役割を果たしていることを強調されていました。言語の面でもハンディがあった中で努力し飛び級が認められるほどの成果を出したという強烈な成功体験、自分で論理立てて考える思考プロセスが評価されるような教育を受けたことなど、アメリカでのそれら原体験がご自身の価値観の根底にあり、その後のキャリアを歩むうえでも原動力になっているとのことでした。そしてアメリカで受けた少なからぬ人種差別的な経験などが、ご自身の日本人としてのアイデンティティを強固なものにし、“日本人・日本企業としての挑戦・成功”へのモチベーションになったというお話も大変印象的でした。

渡米後の起業とその後のキャリアに関しては、そもそも起業は「目的」ではなく技術を社会実装するための「手段」であるということ、また窪田先生ご自身としては、キャリア選択や日々のお仕事の中で、“リスクを取っている”という認識がそもそもあまりなく、「世界をかえ得る」という可能性に挑んでいること、そして「失明のない世界」というご自身のビジョンの実現に向けて日々挑戦し続けることそれ自体が楽しく、やりがいを感じているとのことでした。

更に“日本人の強み”に関する窪田先生のお考えを伺った際には、概して日本人は真面目で、信用されており、物事を磨き、より良いものにすることに長けていて素晴らしいが、「スパイスが必要」とのことでした。既定観念に囚われず面白い形で社会で力を発揮している海外在住の日本人もたくさんいるので、お互いにリスペクトして協力することの意義を語ってくださいました。セッション最後には、一度きりの人生を後悔せぬよう、挑戦を続け、時間を大切に全力で生きるようにとの激励のお言葉もいただくことができ、今後キャリアをスタートさせる学生たちにとっても大変貴重な素晴らしい機会となりました。

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