第65回(2022年度第1回)“Find-Your-Role-Model” Sessionが開催されました

2022年度第1回目(通算65回目)となるFind-Your-Role-Model Sessionでは、株式会社Smart119 代表取締役であり、千葉大学大学院医学研究院救急集中治療医学教授でもいらっしゃる、中田孝明先生をゲストとしてお招きしました。

中田先生は1999年に千葉大学医学部を卒業後、同大学にて博士課程を修了され、その後も救急分野における遺伝学的研究を続けられ、2008年からはブリティッシュコロンビア大学にも研究留学されていらっしゃいます。帰国後2016年にはAMED研究開発事業にて「早く正しい救急医療実現のためのスマートな患者情報収集・処理・共有システムの開発」が採択され、2018年に、「最先端のテクノロジーと柔軟・独創的な発想の融合により、医療現場の課題をスマートに解決し、より多くの患者さんを救う」ことをミッションとして千葉大学発医療テックベンチャー 株式会社Smart119を起業されました。2019年には救急集中治療医学分野の教授に着任され、経営者かつ大学教授として、多分野でご活躍されています。

セッションでは救急・集中治療分野の研究者 / 大学教員をやりながら起業に至った経緯や、ベンチャー企業を経営していく上での苦労や課題、またそれらに対する解決策、そして学生・若手研究者へのアドバイスなどをお話していただきました。

中田先生は特に、研究成果を社会に還元することの重要性を強調され、医療系大学の基本的な使命が臨床・研究・教育であることを考えると、社会実装をしていくためには起業 / 企業という異なるスキームで進めていく必要があったとおっしゃっていました。そして、企業経営においても日々新たに出現する課題に一つ一つ対応していくという業務は、丁寧に仮説を立てて検証しながら進めていく研究とも通じるものがあると教えてくださいました。

株式会社Smart119に関しては、そのサービス内容やチームメンバーの多様性についても触れられ、使命や解決しようとしている課題が分かりやすく、多くの職種・専門家の方々に共鳴いただけ、さまざまな形の協力を得ることができているそうです。特に開発・経営に関しては、取締役・CTOである山尾恭生氏(中田先生の中学・高校の同級生)の存在が大きかったと語られ、臨床現場の課題を身をもって認識している医師としての自分が、他の多くの職種の方々と共に挑むことにより、複雑な課題の「スマートな」解決にむけて前身できているとおっしゃられました。

最後に、次世代の医療の担い手である私達へのメッセージとして、「周りの人々はいつも素晴らしい」とするご自身のマインドセットにも触れつつ、人とのご縁・一期一会を大切にするようにとご助言くださいました。臨床・研究・教育に加え、起業家として社会実装・課題解決に向け幅広くご活躍されている中田先生をお迎えした本セッションは、私たちにとって大変有意義で刺激的でした。

FYRM_Flyer(JP)_Dr.Nakada
日時:

2022年5月23日(月) 18:00~19:00

ゲスト:

中田孝明 先生

株式会社Smart119 代表取締役

千葉大学大学院医学研究院 救急集中治療医学 教授

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