第67回(2022年度第3回)“Find-Your-Role-Model” Sessionが開催されました

2022年度第3回目(通算67回目)となるFind-Your-Role-Model Sessionでは、本学医学部をご卒業され、現在、国際労働機関(ILO)南アジアディセントワーク支援チーム、労働安全衛生・労働監督シニアスペシャリストとして活躍していらっしゃる川上剛先生をゲストとしてお招きしました。

川上先生は1984年に本学医学部卒業後、1991年まで産業医学総合研究所(現;労働安全衛生研究所)、2000年まで労働科学研究所(現;大原記念労働科学研究所)に勤務し、日本とアジア各国の労働現場の安全衛生調査研究並びに改善のためのトレーニングプログラムに携わってこられました。その後、2000年よりILOに勤務され、バンコク、ジュネーブ本部でのご活躍を経て、現在はニューデリー支部に移り、インド・南アジア各国における労使参加型の労働安全衛生改善の推進、ILO条約の普及、各国の労働安全衛生政策法制度および労働監督制度強化に取り組んでいらっしゃいます。

川上先生にはまず初めに自身のキャリアを目指す上で重要となった経験についてお話しいただきました。本学医学部在学中に所属していた学生団体の先輩や卒後の勤務先でのメンターとの出会いが、予防医学の観点から労働安全衛生に従事するという目標を掲げた大きなきっかけであったことを強調されておりました。先生の話を通じて、自分の目で見たことや肌で感じたことから課題を見つけ出す主体性、そして素晴らしいロールモデルとの出会いが将来の目標を定める上で極めて重要であることを認識いたしました。

また、国際機関での働き方に関するお話も伺いました。現地の国の文化を尊重し、失礼な行為をできる限り避けること、そして、現地の人の指導者としてではなく、対等な立場で話し合いを進める仲介者として業務に携わることが異なる文化的背景を持つ人たちと働く上で重要であるとおっしゃっていました。先生が特に強調なさっていた、連携する国々が互いのグッド・プラクティスを共有し、学び合う姿勢が国際連携において不可欠であることを実感いたしました。

最後に参加者に向けてのメッセージとして、人や1つ1つの経験などとの出会いを大切に日々を過ごしていくこと、経験から次の課題が見えてくることが多いのでまずは恐れずに飛び込んでみること、一見医療と関係がなさそうな分野にもたくさん課題は残っているので視野を広げて考え続けること、の大切さを教えていただきました。

予防医学という観点から今も世界を舞台にご活躍なさっている川上先生のお話しを伺えた今回のセッションは、グローバルヘルスという大舞台で働くことを目指している人が一歩踏み出す勇気を得られるような、エネルギーに満ちたものとなりました。

Flyer(JP)_Dr.Kawakami
日時:

2022年7月25日(月) 18:00~19:00

ゲスト:

川上剛 先生

ILO南アジアディーセントワーク技術支援チーム、インド、ニューデリー

労働安全衛生・労働監督シニアスペシャリスト

  • HOME
  • 活動報告
  • 第67回(2022年度第3回)“Find-Your-Role-Model” Sessionが開催されました
ページトップ