第69回(2022年度第5回)“Find-Your-Role-Model” Sessionが開催されました

2022年度第5回目(通算69回目)となるFind-Your-Role-Model Sessionでは、認定NPO法人ロシナンテスを設立し、スーダンを中心にアフリカで医療支援活動を展開されている医師の川原尚行先生をお招きしました。

川原先生は、九州大学医学部卒/消化器・総合外科で臨床をされた後、外務省に入省され医務官として在タンザニア/在スーダン日本大使館にて勤務されました。そして、2005年1月に外務省を辞職しNPO法人「ロシナンテス」を設立され、スーダンにて無医村での巡回診療を中心とした医療支援活動を展開されてきました。その後、医療を中心に、水・衛生事業、学校・教育事業、スポーツ事業、交流事業、母子保健事業などにも活動を広げられ、2019年にはザンビアにも拠点を広げられています。

川原先生にはまず初めにご自身の今までの歩みについてお話しいただきました。外務省の医務官としてアフリカで活動される中で、国家間の関係の変化の影響で政府の支援が途絶えてしまい、目の前に病んでいる人が何もできなくなってしまったという壁にぶつかったことが、NPO法人ロシナンテス設立の契機だったそうです。先生のお話しから、どの国や団体から、どのような立場で国際支援活動をするのかが、活動に大きな影響があるという、新しい学びがありました。

ロシナンテスの活動の中での大きなターニングポイントとして、スーダン政府からの活動停止命令があったそうです。この活動停止命令も、国家間の情勢を受けてのものでしたが、これを機に地域の人たちだけで医療を継続できる仕組み作りを目指すというビジョンが明確になったそうです。先生がどのように現地の人たちを巻き込んで活動されているのかを聞き、人々と問題意識やビジョンを共有し、意欲を駆り立て共に歩んでいくリーダーシップの重要性を感じました。

最近の取り組みとしては、デジタル母子手帳の普及を目指しているそうです。日本の大学や企業と技術面で連携し、チームジャパンとしてアフリカと共に新しいシステムを構築していくことにチャレンジされているそうです。日本として世界のために貢献するとともに日本とアフリカがともに発展できる道を模索する先生の姿勢のすばらしさを感じました。

最後に参加者へのメッセージとして、創造力を大事にして、例えば、現在の医療システムの問題がどこにあるのかを見つめ新しい医療システムを考えるくらいの思いを持つと良いとアドバイスの言葉をいただきました。創造力や先鋭的な発想を大事にし、それらの具現化に向けて挑戦していくことの大切さを学びました。

国際支援活動という観点から今も世界を舞台にご活躍なさっている川原先生のお話しを伺えた今回のセッションは、グローバルヘルスという大舞台で働くことを目指している人が一歩踏み出す勇気を得られるような、エネルギーに満ちたものとなりました。

 

Flyer(JP)_Dr. Kawahara
日時: 2022年11月7日(月) 18:00~19:00
ゲスト: 川原 尚行 先生
認定NPO法人ロシナンテス 理事長 
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