2023年度第3回（通算73回目）のFind-Your-Role-Model Sessionでは、NPO法人ミャンマー　ファミリー・クリニックと菜園の会代表としてご活躍されていらっしゃる、医師の名知仁子先生をお招きしました。

名知先生は獨協医科大学医学部卒業後、日本医科大学で内科医として積まれました。その後、39歳で日本人5人目として国境なき医師団（MSF）に入団され、世界各地で医療援助活動を経験されました。その中で訪れたミャンマーに自身の人生を捧げることを決意し、現在はミャンマーでミャンマーの方々の生活・命を診ることを信条に、巡回診療から野菜栽培技術の普及まで幅広く取り組まれています。
セッションでは、名知先生にご経歴やこれまでのご活動をご説明いただきました。名知先生は、せっかく診断・治療をしても、栄養不良や環境インフラの未熟さのため患者さんがまた再発し戻って来てしまう現実を見て、患者を救うためには医療と共に、栄養状態の改善も必須であることに気づかれ、医療を超えて、菜園活動や健康教育にも、精力的に取り組まれていらっしゃるそうです。先生は、マザーテレサの「もしあなたの愛を誰かに与えたらそれはあなたを豊かにする」という言葉に出会い、国際医療の道へと大きなキャリア選択をされたことを聞き、日常の小さなことも逃さず受け止める広いアンテナを持つことの大切さを感じることができました。
先生はこれまでに2度も闘病生活を送られたそうですが、できないことではなくできることに目を向けるマインドで強く乗り越えたというお話に大変感銘を受けました。また、私たち医療従事者へのアドバイスとして、お互いに違う人間どうし違いを受け止めることが1番大切で、そのためには色々な業種の人とかかわりコミュニケーションを取りながら視野を広げることを心がけて欲しい、とおっしゃってくださいました。

医師としてミャンマーの地で人々の生活まるごとを支える活動をなさっている名知先生のご経験をお聞きすることで、将来のキャリアの幅の広さを知るきっかけになり、同時に自分次第で自分の道をいくらでも切り拓いていくことができると勇気をもらえるような、大変貴重な機会になりました。これから、名知先生のように前向きにそして積極的に、日々を過ごしていきたいと思います。