第76回(2024年度第2回)“Find-Your-Role-Model” Sessionが開催されました
2024年度第2回(通算76回目)のFind-Your-Role Model Sessionでは、米国Cincinnati Children's Hospitalで臨床と研究の両面で活躍されている浅井章博先生をゲストとしてお招きいたしました。
浅井先生は2003年に名古屋大学医学部を卒業後、ハーバード大学マサチューセッツ総合病院で研究フェローとして基礎研究に従事されました。一方、臨床では、ニューヨークのベスイスラエル病院、シカゴのノースウェスタン大学等で研鑽を積み、小児消化器・肝臓科の専門医を取得されました。以降、シンシナティー小児病院でPhysician-Scientistとしてご活躍されております。
セッションの前半の講演では、「Physician-Scientistとは?」「小児、肝臓、移植内科とは?」「移民する、とは?」の3つのテーマについてお話いただきました。後半の質疑応答では、アメリカと日本における研究の環境の違いや移植医療について、更に詳しく掘り下げていただきました。
先生のお話から、自分に適した環境を選ぶことの大切さについて学びました。アメリカではフェローシップ(日本における後期研修)は研究に集中し、論文を仕上げる期間ととらえられているそうで、臨床と研究を両立するという考えが日本より浸透していると感じました。また、移植に関する価値観も異なり、件数も圧倒的に多いそうです。先生は患者から得られた情報をすぐに基礎研究に用い、それを臨床にフィードバックできるという環境にやりがいを見出しているとのことでした。自分がやりたいことのためにはどのような環境があるのか、視野を広げて可能性を模索することが重要だと教えていただきました。さらに、そのためには努力はもちろん、人とのつながりを大切にしていく必要があります。
今回のセッションでは、多くの質問を寄せていただき、先生の経歴や考えについて理解を深めることができました。臨床と研究の両方で活躍されている先生のお話から、可能性を狭めず、両立することで新しい価値を作ることができることが分かりました。今後も、多様なバッググラウンドを持つ方との関わりを大切にし、自分の志望科で臨床・研究をされている、ロールモデルとなるような先輩医師を見つけられたらと思います。
日時: | 2024年7月22日(月) 19:00~20:00 |
ゲスト: | 浅井 章博先生 米国Cincinnati Children's Hospital 小児肝臓・移植内科医(MD, PhD) |